日経記事に学ぶビジネスモデル   2001/05/04 NO.19
ネット会員48万人獲得
湖池屋 消費者との壁、メールで崩す

日本経済新聞 2001年4月30日 デジタル経済1 【14面12版】
発行者のホームページ

 ビジネスモデル特許戦略については、次回にさせていただきます。 今回は、メール・マーケティングのモデルです。

メールマーケティング

記事の内容(一部省略)

・スナック菓子や錠菓製造・販売する湖池屋、携帯電話を含めて48万人の ネット会員を囲い込むことに成功。
・週1回のメールを配信し、新製品やキャンペーン情報を提供、アンケー トなどへの参加を呼びかけている。
・メールには担当者個人のメッセージを必ず付け加え、メーカー情報の押 し売りをしないようにしている。
・担当者は会員からの返信メール全てに目を通し、極力手書きの返事を返 すようにしている。
・製品の企画開発担当する部署がサイトコンテンツ作成も手がけているた め、ネットで拾い上げた消費者の意見が製品開発やサービス向上に直接反 される。
・昨年末発売した錠菓「ピンキー」シリーズのシトラスミントはその代表 例。
・まず、ホームページで食べてみたいピンキーの味を募り、ネット会員に メールでアンケートへの参加を呼びかけた。
・その結果、柑橘系が上位を占めたことで製品開発の方向性が固まったと いう。
・さらに、ネット会員のうち希望者の99,000人に対し、店頭に並ぶ前にシ トラスミントを無料配布し、発売前のファン作りに挑戦した。
・4月末から始めたスナック菓子の消費者キャンペーンのグッズ開発もサイ ト上のアンケート調査結果を参考にした。
・消費者の力を製品開発やマーケティングに生かしつつある。

フレンテスパイラ
■コメント

 電子メールを利用して「顧客とのリレーションシップ作り」で常連客をつ くる好例といえる。

 ネットの特徴を利用するマーケティングを概観しておこう。以下のような 図になると思われる。
 マスメディアが得意とする領域のAIDMAは、潜在客・見込み客の部分に相当 し、ネットはトライアル後の機能が効果的に企画できる強みを有している。

マーケティングプロセス

 意図するマーケティングプロセスを維持するためには、次のような マーケティングミックス(実際のマーケティング機能の組み合わせ)を意識 する必要がある。

 ・既存メディアでURLを告知する
  (新聞、雑誌、TVなど)
 ・顧客からのアクション(訪問・注文など)へのリアクション
  (Eメール・メールマガジン・電話・FAX・郵便など)
 ・購入等の手続手段の準備
  (カード・現金振込・代引き・電子マネーなど)
 ・商品等の配送、フォローの計画
  (宅急便・郵便・店頭・デジタル配信・Eメールなど)

●登録者を増やすためには、
 Webサイトのきちんとしたコンセプト、デザイン・機能などの他に 以下のようなものが考えられる。
 ・プレゼント懸賞
 ・サイバー広告(バナ―、メールニュースなど)
 ・ネットイベント企画
 ・メールマガジン発行
 ・アンケート実施

●収集情報を活用するためのツール
   ・顧客DBとデータ分析ツール
 ・アンケートなどの回答分析ツール
 ・メンバーズ・コミュニティ
 ・パーソナライズド・ウェブ
 ・パーソナライズド・メール
 ・反応や問い合わせへの対応マニュアル
 ・個人情報保護、セキュリティ対応

■情報収集URL

電子メール・マーケティング業界の考察
http://www.atmarkit.co.jp/ fitbiz/tokusyuu/emailmarketing/emkt05.html
現状、日本における電子メール・マーケティングは、5セグメントに分類され る。「ダイレクト・マーケティング志向型」「インターネット・サービス・プ ロバイダ型」「アプリケーション型」「インフラ志向型」「オプト・イン型」。

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