日経記事に学ぶビジネスモデル   2002/06/15 NO.35
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市販の雑誌 通販に活用 見やすさ、ネットに対抗

日本経済新聞 6月11日(火)  
角川書店が展開する通販事業
◆ 記事内容

記事リード
 角川書店は21日、通信販売の専門誌を発刊する。ファッション誌のように人気 のモデルを多用し商品も詳しく紹介する
 カタログ通販のムトウは中堅の出版社と提携、衣料品などを載せた女性誌を創 刊した。
 通販市場ではインターネットで情報を入手し購入する消費者が急増。  各社はより見やすく情報を掲載できる雑誌を媒体として読者を引き付け、ネッ ト通販に対抗する。

ビジネスの概要 発刊するのは、「ウォーカースタ イル」(季刊380円)30万部を発行。衣料品や生活雑貨など1,400点を掲載。ネッ トや携帯電話の専用サイトなどで受注する。
業界の状況 ■ムトウは飛鳥新社(東京・千代田区)と提携し、4月にファ ッション誌「ハート」(季刊480円)を創刊。約半分を通販ページ用、衣料、雑貨 など約400点掲載。カタログで十分に開拓できていない若者層獲得を狙う。
■医薬品の興和(名古屋市)はファッション通販誌「ルックス」(季刊480円) を発行するスタイライフ(東京・千代田区)の株式57%を取得。連結売上高の半 分を占める繊維、衣料品をルックスを通じ販売する。
■国内通販市場は2000年度で約2兆4千億円。ネットやテレビ通販が台頭する一方 、カタログを使った販売は頭打ちになっている。
顧客は誰か 想定読者は10〜30代の男女。
顧客にどんな価値を提供するのか 大手出版社が通販専門誌を手が けるのははじめて。
単なる商品紹介にとどめず、若者に人気の店なども毎 号特集していく。年内には主力情報誌「東京ウォーカー」や「ザ・テレビジョン」 を使った通販も始める。
パートナーにどんな価値を提供するのか パートナーしてメーカーなど商 品提供する企業があげられる。流通チャネルの広がりも見込める。既存の商品の 販売情報と顧客DBから、商品開発や流通在庫の削減につながる可能性もある。
そのために経営資源をどのように組み合わせる か
その経営資源をどのように調達するのか
ネットを組み入れ、雑誌の持つ 機能、役割を再構築しようとする試みといえる。通常の媒体としての価値に加え て、広告機能を鮮明に打ち出す。
パートナーとのコミュニケ ーションをどのように行うのか
顧客とのコミュニケーションをどのように 行うのか
・マーチャンダイジングはどの ように行うか不明。

・雑誌を購読してもらう。
・サイトへのア クセスしてもらう。
・CSデジタル放送などから販売促進。
どのような流通経路で届けるか 通販専門誌は書店ルートのほか に、購読のための魅力つくりとチャネル開発が課題か。
サイトからの受注 で、どのような物流体制で商品を届ける、決済の方法は不明。また、郵便や電 話、FAXでの受注もできるか不明。通常の通販のノウハウを使うと思われる。
どのような価格体系か 「ウォーカースタイル」は季刊 で380円。
明確なターゲットを設定した編集スタイルによって、掲載する商 品が決められよう。「想定読者は10〜30代の男女」というのは、あまりにも広す ぎないか。総花的な商品選択になってしまう可能性がある。

 自社のビジネスモデルをこのようなビジネスモデルの要件で整理してみるとい かがでしょうか。

 
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