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    2008年10月22日 第85号
 HTMLメールマガジン日経記事に学ぶビジネスモデルでビジネス感覚に磨きをかけよう。
 ビジネス初心者のためのHTMLメールマガジンです。
日経MJ 2008年10月8日(水)付け  9面【サービス&エンターテインメント】

遊と学、バランス重視
子供を飽きさせない教材玩具

 日経MJ紙の9面に「匠のファイル」という企業の個人に焦点を当てた連載があります。
 10月8日号はベネッセコーポレーションの教具玩具開発部・松村 聡氏の記事が掲載されていました。
 
 教具玩具開発とコミュニケーション戦略

教具玩具開発とコミュニケーション戦略


この図は編集者の独自の解釈で作成しているものです。対象となった記事とは関係ありません。
記事に即した図解に留めました。
顧客とのコミュニケーション・インターフェースをどのように運営、管理していくかが肝心ですね。
ベネッセでは顧客との接点を接触と捉えてそのポータルサイトを日本一のサイトに育てています。


 記事の概要

「進研ゼミ」や「こどもチャレンジ」などの通信教育講座は原則一ヶ月に一回、顧客に教材が届くシステム、平均ニ〜三ヶ月に二回教具が付く。教具は子供の欲しいものと学習効果が得られるバランスが重要だ。

 子供に「あっ」といわせる付録開発の達人。

 子供の行動や心理を理解することが、楽しく学べる秘訣。

 松村氏は入社当初、情報システム部に配属され、その後家庭に配られるダイレクトメール(DM)
 を作成する部署に異動する。
 DMには子供に進研ゼミに入りたいと思わせる仕掛けが満載で、
 ここでどうやって子供の関心を引くかを学ぶ。
 「月刊コロコロコミック」お読んで小学生のことを勉強している。

 教具開発ステップの概要

<1> 子供に何を学んでもらうかテーマを決める。
<2> 子供の好奇心をくすぐるようなアイデアを十くらい考える。
<3> 顧客の親や子に聞いて回る。
<4> 製品仕様の方向性を決める。
     子供向けのため安全性に細心の注意を払う。
<5> 工業デザイナーと共同でデザインを決める。
<6> 中国の子会社に生産を依頼する。原価の制約条件がある。
     検査体制の確立:原材料の重金属が含まれていないかどうかなど。
少しPRさ せてください。
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 関連情報
ベネッセコーポレーションに関する関連情報です。

◆ ベネッセコーポレーションについて(ウィキペディア) 会社の沿革など網羅している。
◆ ベネッセについて ベネッセの運営サイトです。企業理念(CI)など。
  投資家情報は良く整理されていて会社概要をつかむことができます。
◆ 2008年度会社案内 各事業分野ごとに「情報誌」などの画像を配置していて
  どんな分で何をしているか理解できます。
◆ ベネッセのコミュニティマーケティング戦略 
  インターネットをどのように活用しているか、その位置づけ、実態と将来の方向性の記事です。

 編集者のコメント



「遊と学」というコンセプトがいいですね。個人的に気に入っています。
われわれビジネスマンにもこのコンセプトが適用された自己啓発教材ができるとうれしい。
毎月の通信教育講座で、大人の知の好奇心を満足させ、しっかりと定着できる仕組みがあると、今の通信講座はどんなにか楽しくなることでしょう。

さて、ベネッセのビジネスモデルは「教育・語学・生活・介護」をグループ各社が各事業領域を決めて展開している。
あげられている事業分からそのコンセプトは顧客のライフサイクルの各ステージを網羅するするようです。
ただし、キーワードは「教育・語学・生活・介護」です。

当社は倒産という障害を乗り越えて、当初の出版関係事業から、新たな事業領域を再構築して復活しました。
そのときにCI(コーポレート・アイデンティティ)を徹底的に行ったようです。
これが従来の組織風土を劇的に変化させたようです。
時間がかかるようですが、この部分が磐石であればトップの望む変化は立ち上がり始めるとものすごい加速が付くことが良く理解できます。
景気後退期での企業戦略では「人」の持つ創意工夫、独創がなおさら必要と思われます。今こそ焦点を当てるべきでしょう。強い組織の淵源ですね。
もちろんトップが事業領域をいかに定め経営資源を集中させるか、思い切った決断を迫られます。
これらはコンピュータで言うとOSにあたる部分で、すべての成長はこの設計に由来すると言えるでしょう。

当社のIR情報サイトから次の図を紹介します。

事業の方向付けとキーワードが端的に示されています。




発行している媒体でのコミュニケーション以外に当社では「顧客接触」サイトを使って顧客とネットを通じたコミュニケーションを活発に行っています。
ウィメンズパーク」は日本最大級の女性口コミサイトといわれています。
サイトのコンテンツは妊娠・出産・育児の悩み、病院や幼稚園・保育園、転勤や引越しに便利な地域の口コミ情報、料理や家事について、仕事やお出かけ情報まで非常に広範囲になっています。

運営の目的について総括すると次のようになる思われます。

・ネットを通じてターゲットとしている潜在的な顧客を獲得すること。
・自社媒体を中心にマーケティングを仕掛けることを前提とする。
・併せてネットの利用で顧客ロイヤリティを高め、購買につなげる確率を高めていくこと。
顧客との接点としてネットメディアが重要な役割と位置づける。
新たな商品やサービスの仕組みに活用していく。

       ―――――――――――――――――――――――――――――――――――

■ 編集後記

米国発の最近の金融危機が世界中に波及しているようです。
ハブ化の急落、ガソリン高、原料高、物価高、大手流通業の事業縮小・・・・・。
新聞記事やテレビニュースでは声高に報道されています。

景気後退、景気減速、需要の低迷、買い控え、節約志向、内食回帰・・・・・。
実体経済へあちこちで影響が出始めてきました。

2004年発刊された「伸びない市場で稼ぐ!成熟市場の2ケタ成長戦略 」をまた読み始めています。
ディマンド・イノベーションということばで当時それなりに話題になっていました。

アプローチの転換と言う意味では、製品イノベーションからディマンド・イノベーション(需要革新)ヘと視点が移ってきたわけです。

いまの中心的なビジネス市場の境界線を拡げることによって新たな成長を創り出す考え方です。深耕ではなく、幅を広げることです。ただし、特定の部分は深い知識と顧客理解とが必要になることは言うまでもありません。

製商品・サービスを出発点として、顧客に新しい提案をし、難局を乗り越え、業績全体を向上させる手法ですね。

本書の事例で登場するカーディナルは薬剤の流れを追跡した結果、少なからず病院に貢献できる要素を見つけ、病院の悩みの種である経費削減、人材不足、情報管理という3つの問題の解決に一役買うこともできると考えた。

わたしたちの取り組んでいるビジネスを再点検してみると意外とそういう部分を発見できるかもしれませんね。