日経記事に学ぶビジネスモデル   2003/04/09 NO.46
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ネットの「声」活用 ヒット商品産む
消費者の知恵 すみずみに  発売前弱み修正

日本経済新聞 4月5日(土)

 インターネットが誕生し、双方向のコミュニケーションが手軽にできるようになった。小売やメーカーは「顧客の顔が見えない」対策として、ネットの活用に注目している。アンケート会社では消費者の声を集め、分析し、企業に提供しているところもある。
 商品開発における企画の方向付けで行われる「ニーズの把握」「ニーズの検証」「商品空間の検討」から発想フェーズで実施される「アイデアの発想」「アイデアの絞込み」、そして「コンセプト設定」過程を消費者を巻き込んで一気に進む。




◆ 記事の内容(要約)
記事リード  小売やメーカー各社が、インターネットで消費者から意見を募り、商品開発に反映させる動きが本格化している。消費者ニーズを迅速につかみ、機動的に無駄なく生産、販売するのが狙いだ。企業は消費者との二人三脚が、売れる商品作りへの近道と見る。
企業名 商品開発例
ムジ・ネット
(東京・豊島)
■ 「壁棚」 価格1,000円 9,300個を受注。
  同社サイトの会員が共同で商品化。会員はアイデアや改善点など、事細かな注文をつけ、半年程度かけてやっと使用が固まった。
■ 寝室に持ち込んで約1時間で消える「持ち運びできるあかり」 価格6,900円
■ 座る面によって柔らかさが変わる「体にフィットするソファ」 価格19,000円
トリンプ・インターナショナル・ジャパン
(東京・大田)
■ サイト発の理想の下着
  「クリスマスに着たい理想の下着」
 通常の類似商品と比べて価格は2〜3割高だが、5倍の枚数を売り切った。
伊勢丹 ■ 乳幼児連れ母親向け「マザーズバッグ」 価格16,000〜18,000円。
  類似バッグの2倍の売れ行き。ネット会員の女性同士で意見交換を重ね、サンプルができた際には一部会員を呼んで意見を聞いた。
東急ホテルマネジメント
(東京・渋谷)
■ サイト開設し、消費者の日頃の考えを収集。年内の客室改装時に要望を反映させる。
背 景 ■ ネット利用者層 急拡大
  主婦ら大量の情報閲覧 モノ見る目厳しく
  「自立した消費者」続々
■ 調査会社ネットレイティング(東京・港)によると、ネット利用者は、中高年や未成年に急速に拡大している。
  2002年 13歳〜19歳 417万人
        40歳台    645万人
        50歳台    420万人
        60歳台    183万人
  2001年より2倍に増えた。
■ 内閣府「国民生活に関する世論調査」によると、2002年に「物よりこころの豊かさ」を求める人の割合61%、「物の豊かさ」を求めるのはその半分以下だ。
■ 生産原理でモノを作る仕組み作りに専念した企業には「これなら売れる」という仮説が立てにくくなっている。
■コメント
 商品開発の悩みは、常にある。エンドユーザーに会い、話を聞き、ニーズを把握しコンセプトを設定しなくてはならない。しかし過去の成功体験や品質、技術に対する過信や固定観念がたたって、横並びの開発しかできずに新鮮味の無いものが多い。喜びや感動のある商品に出会いたい、消費者はこう思っているのではないか。

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