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   2007年9月14日 第75号
日経新聞 2007年9月8日(土)付け 5面【経済】 13版
成長を考える 4
「当たり前」まねて変革
成長を考える「当たり前、真似て変革」
9月8日付日本経済新聞5面「経済」13版

「成長を考える」というコラムがありました。4回目の連載で、「さまざまな視点」という副題です。

ボストンコンサルティンググループ・パートナー秋池玲子氏へのインタビューで構成されていました。

大見出しは「当たり前、まねて変革」です。小見出しは「潜在能力を発掘」「知と経験が偏在」です。
氏が再生機構で手がけた熊本市のバス会社、九州産業交通の事例を通して話している。

氏への質問は、次の通りです。

   氏への質問は、次の通りです。

1.日本経済の潜在成長力をどうみますか。
2.ビジネスモデルを変えることは実際に産業再生機構の設立目的でした。
3.成功の秘訣は?
4.(リストラや事業売却など)結局は縮小均衡との批判もあります。
5.潜在力はどこにあったのでしょうか。
6.(取り組んだ内容は)普通で簡単なことのように聞こえます。
7.日本の成長底上げにもつながりますか。
8.政府は地方版再生機構の創設を決めました。
さて、この記事の中で、いくつかのキーワードとキーセンテンスがあります。
それらをピックアップしてみます。

 氏は二つのことを実践すれば伸びると、と言います。

・人々が求めているのに、まだ供給されていない消費を振興すること。
・事業環境が変化したにもかかわらず、昔のままのやり方を続けている企業のビジネスモデルを変えること。

 成功の秘訣については、

・スピード。特に最初が肝心だ。リストラや事業売却など従業員にとってショックなことも含めて最初に全部を関係者に伝える。そして早く成果を出す。
・眠っている潜在能力を引き出せば成長のチャンスはある。

 潜在力はどこになったのか?

・片手間の中にあった。片手までやっていた意識を変えた。

 企業再生でやらなければならないことは、

・まともな企業なら当たり前にやっていることを当たり前にやることだ。
・社内の管理会計を明確にすること。
・人事では査定をすること。
・当たり前のことが何なのか分かっていて、そこに復元しようとするチームがいるだけで会社は変わる。

 成長ために、

・ちょっとした知恵が効くことは意外に多い。
・ある世界の人にとって当たり前のことでも、少し違う世界の人にしてみると新鮮な知恵になることはたくさんある。
・業界ごとに知と経験がタテ割りで偏在している。ヨコに展開して共有するだけで、別に特別な技術革新がなくても変革は進むと思う。
・すべての人が創造的なわけではないし、誰がやってもうまくいった事例をモデルとして積み上げ、まねをすることが大事だ。
・問題に気づいているのに誰も当たり前のことを言い出せない。第三者としての機構が存在する余地はある。
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   会社の中にどっぷりつかっていると、外のことが見えなくなってしまう。

変える、変わる勇気、聞く忍耐、決めたことを実行する決断、人には言えるが脇が甘く言動がぶれていることが多い。

お客様のためと言っていながら、まったくお客様のためにならない業務を平然とやっている。
商品を出し、陳列してお客様の気を引かなければならない小売業なのに、コスト削減のトップの方針を真に受けて人件費をひたすら削減している店舗現場。売り場が荒れ、清潔感がなくなってお客様の支持が得られなくなる。

先送りする、決断しない中間管理職の存在。部下はモラルハザードに直面してしまう。

意思決定を迫れながらも先送りする体質で、取り入れるべき知恵が見えなくなっているトップや管理職。自分の評価だけが気になり、自分がいる期間が良ければいい、何もなければよし、とする保守性が根強い。パート、アルバイトの意見がよっぽど的を得ているケースが多い。

第三者とはコンサルタントや部外者のことだけではない。身近に立派な目を持った人がいる。

他業界で生かされていることは自分にとって関係ないように思っていることが圧倒的に多い。学ぶという姿勢というよりも外部環境の変化に鈍感になっている。

秋池氏の言う言葉について自社を検証してみる必要があります。