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    2008年7月19日 第80号
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日本経済新聞 2008年7月12日(土)付け  11面企業総合 14版
iPhoneショック
メーカー主導・ケータイ市場開国のとき (上)
端末メーカー総力戦・ソフト力が浮沈左右(下)
 アップルを取り巻く関係者の概念図
iPhoneをめぐる関係者の概要

 記事の概要とコメント
 7月11日iPhoneが 発売された。
iPhone3Gは3つの機能を持つ。
以 前から各メディアでは取り上げられてきたこの話題は発売から一週間ほどたち、市場は冷静さを取り戻しつつあるでしょう。関係各社の位置づけと今後の行動を 注目していきたい。

さて、12日から日経紙上でも「iPhoneショック」と題してコラムが組まれました。10 日付にはそのを細かに仕様まで紹介している。このような携帯端末まで紹介する騒ぎは余り記憶ないことです。

 電話・メールなどのコミュ ニケーション機能とエンターテインメント・サービス機能を提供する通信端末機器。デザイン、操作性はアップルのブランドイメージを損なわないこと。では アップルのブランドイメージとはどんなものでしょうか。

Appleが熱狂的信者を作るために使った12のブランド戦略」では次の 12個を上げて解説しています。

・Appleのためだけの店を作った
・完全な解決策の提供
・Mac 使いはカッコイイというイメージ
・様々な価格帯の製品展開
・乗り換えを困難にする
・各種メ ディアの絶好のネタになる
・教育機関への販売
・わかりやすい製品を提供する
・不愉快な部分 は外部に丸投げ
・一貫性
・革新的な使い方の提案
・魅力的であること

 ざっと、調べてみるといく つかのサイトがありましたので眼を通しておくといいでしょう。

アップルの巧みなブランド戦略を探る(上)

アップル社の『iPod』戦略を探る(上)

Apple主導の「黒船」iPhone ソフトバンクの負担は

「iPhone」日本上陸!ソフトバンクとドコモの違いに迫る!


 日本の携帯ビジネスは概略 次の4つの階層があるそうです。
各階層を携帯電話会社、機器メーカー、ソフト会社、サービス提供会社などが分担してきたようです。

1. 通話やデータなどの通信サービス
2.端末(ハードウエア)の開発・販売
3.ソフトウエアや付加機能の開発
4. ネット接続などによるサービスやコンテンツの提供

 よく分かりませんが「競争 原理」の導入などで通信会社が主導権を握ってきた業界ルールが切り替わりつつあるようですね。


 アップル行動はどうでしょ うか。もちろんアップルは通信会社ではない。付加価値の高いソフトを開発する会社でもない。アップルというブランドを実現するための魅力的なハードを作 り、それにソフト開発やコンテンツ提供で「魂」を吹き込んでいますね。

・端末を自社で開発する
・ 独自の基本ソフト(OS)を核にする。
・自社機器向けのソフトを世界のソフト・サービス専門会社に開発してもらう仕組みを整える。
・ 独自の音楽販売サイト「iTunes」を軸に、コンテンツ提供で多くの顧客を獲得する。

 つまり、ユーザーにさまざ まなコンテンツを提供するプラットフォームを構築しようとしているのではないかと思います。それを可能しているのは強烈なアップルブランドいえないでしょ うか。アップルの資産のコアは目に見えないブランド力ですね。もちろんこの見えないブランドを「形」するデザイン力やハード設計能力を編成する能力も素晴 らしい。いつも市場の期待を裏切らない。

 さて、アップルの目論見が 成功すると業界にどのような影響を与えるのでしょうか。

・携帯電話会社が握っていたビジネス主導権が揺らぎだす ことになる。
・ソフトやサービスの専門会社には、これまで以上にチャンスが広がる。
・日本の携帯電話市場で得ら れる利益を米企業のアップルが吸い上げる構造を招くことになる。

 新聞記事では次のようにコメントしています。

・通信会社が形態の機能やサービスを決めると言う常識に風穴があく可能性がある。(10付け)
・インターネット検索世界最大手の米グーグルは日本ではドコモ、KDDI(au)と組み、パソコンで確立したインターネット広告を携帯市場に広げ始めた。アイフォーンにもグーグルのサービスが標準搭載された。(12付け)
・ノキアは一部機種で、公衆回線LANでネット接続できるようにした。LANを介せば、携帯回線を使わずネットサービスが楽しめる。(12日付)
・端末を販売し通信量を確保する通信会社のビジネスモデルに風穴を開ける。(12付け)
・(アップルの強みは)機器販売後も、ソフトやサービスで継続して収入を得るモデルを築いたことが大きい。音楽・ゲーム配信に加え、会員制サービスの「モバイルミー」を用意。(13日付)

 2007年1月9日 「iPhone」を発表するスティーブ・ジョブズ氏は次のようなプレゼンを行ったそうです。

「すべてを変えるよ うな製品が現れるとき、それに関わる仕事ができるのは運がいい。
幸運なことに、アップルはそんな製品をいくつも世に出すことができ た。
1984年にはマッキントッシュを発売した。
マックはアップルだけでなく、コンピュータ産業すべてを変え た。
2001年には最初のiPodを送りだした。
iPodは音楽の聴き方だけでなく、音楽産業すべてを変えた」

「そして2007年、極めつけの新製品を3つ紹介する。
それはタッチコントロールの iPod、画期的な携帯電話、
そしてインターネット・コミュニケーション・デバイスだ。
だが、じつはこれらの3 つは1台に搭載されている。
これがiPhoneだ」

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編集後記

梅 雨明けはいつになるでしょうか?
もう、うっとおしい湿気から開放されたいですね。
すでに始まっている寝苦しい熱 帯夜、夏バテ気味の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回の記事ではソフトバンクや競合他社についての 位置づけについて論及しませんでした。
通信会社として、携帯端末メーカーとしての行動が注目されます。
それぞれについての観測では今 までのビジネスモデルでは太刀打ちできない、という危機感があるようです。
巨大な企業になればなるほど、その経営資源を「どこに」集中するか課題になって きます。
そうすると今までそれなりにあった収益が外に放り出されるわけですから、ニッチ市場が誕生することになります。その市場を担う企業が必要になりま す。それはどこか。眼が離せませんね。

この季節、よく眠れるかどうか、スッキリした気分には欠かせません。
適 度に体を動かし、周囲の情報からビジネスモデルのブラッシュアップのために脳のリフレッシュと脳力トレーニングも怠らないようにしましょう。

夏 バテに、手前味噌ですが、辛みそは結構いけますよ。