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    2008年10月29日 第86号
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日経MJ 2008年10月15日(水)付け  1面【日経MJ2008年版 eショップ・通信販売調査】

シニアが動いた 節約志向追い風に
ネット市場規模5兆円突破 日用品が急拡大
今回は同調査記事で「eショップ・通信販売」業界に環境を確認してみようと思います。
 
 eショップ・通信販売業界の環境概要

eshop通販の環境


この図は編集者の独自の解釈で作成しているものです。対象となった記事とは関係ありません。


 記事の概要

 取り上げられた事例

 ・ネット通販利者は、若年層中心から60代以上のシニア層に拡大。
 ・毎日の買物に負担を感じる高齢者者は多い。

 ・安心安全を打ち出す通販サイトの登場。

  「オイシックス」 有機栽培の野菜・食品を手がける。
   自社ブランドミネラルウォーター販売。
   健康に気を使うシニア層中心に売れている。

  「ディー・エヌー・エー」  旅行会社と組んで
  SNSサイト「趣味人倶楽部」で中高年を想定したパッケージ良好ツアーを販売。
  利用者の半数以上が60代以上。

 記事で紹介された各種調査結果から

 ・携帯電話サービスのシニア層の利用調査
  60代の三割以上が携帯でネット閲覧、一割がチケット航空券を購入。

 ・国立社会保障・人口問題研究所
  2030年、日本の総人口に65歳以上が占める割合は30%を超える。
  市場に占めるシニア層の比重はますます重くなる。
 
 ・経済産業省2007年電子商取引調査
  市場規模は前年21.7%増の五兆三千四百億円。

 売れ筋の変化

  ヤフーショッピングでは、08年9月の売上高の内容 ドラッグストアーなどで
  売れそうな商品が軒並み伸びている。
  ・ティッシュ類 前年同月比で60%増。
  ・洗剤などのトイレタリー類 60%増。
  ・シャンプー 50%増。
  ・トイレットペーパー 30%増。

 記事中の見出しを見てみよう。

  一面はタイトルの通り。二面以下は次の通りで若干記事内容を列挙しておきます。

 ・二面から。
  「成熟期近づき、伸び鈍る
  総合売上高ランキングについて。
  2007年263社の売上高合計 2兆2457億円。前回調査時に比べ1.9ポイント縮小。
  コンテンツ配信以外はどの分野の成長も鈍化。前年で唯一減少が続くのはカタログ販売(4.4%減)。
  ネット通販への取り組み方が今後の業績に大きな影響を与えそう。

 ・三面から。
  「小売大手、ネット急伸  店舗の存在に安心感
  ネット通販の伸びを運営主体の小売企業に限ると23.6%増になる。
  店舗が実在する安心感にブランド力が加わっているようだ。

  ・高島屋ネット通販部門躍急伸
   06年売上高 21億3千万円。
   07年売上高 33億円。
   「グルメ商品の動きが良く、全国の特産品企画も当たっている」ようだ。
   08年9月、ファッション衣料や雑貨の通販サイトを新設。

  ・大丸 35.1%増。
  ・阪急百貨店 27.1%増。
  ・百貨店24社合計では、27.9%増。
  ・ヨドバシカメラの売上高 ネット通販で323億5100万円でネット通販トップ。

 ・四面から。
  「TV通販 成長ブレーキ。サイト連携 道探る」 
  TV通販21社の売上高は、3千62億87百万円。
  前年比較可能な1社の売上高は6.3%増、伸び率は二期連続で鈍化。
  上位三社のうち二社が減少に転じる。

  「ネット予約、好調持続。ダイナミックパーッケージ(DP)浸透。観光利用が拡大
  宿泊施設や旅行ツアー、航空券チケットなどの予約サービスの分野では、
  取扱い売上高一兆五千億を突破。

  比較可能な33社の07年度売上高は前年度比17.2%増。
  自分でホテルや航空券を自由に組み合わせるDPの利用増。

  「コンテンツドワンゴ首位陥落。エムティーアイ急伸
  着歌やゲーム、電子書籍などのコンテンツ事業では、
  前年比較可能な20社の07年度売上高は前年比7%増。堅調に推移。
  二桁成長の事業者が7社、二桁減も四社、格差が目立ち始める。
  流行のコンテンツをいかに早く提供できるかが業績を左右する。
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 関連情報
関連情報です。

通信販売の現状と今後の課題 平成16年12月 経済産業省消費経済政策課

平成19年度我が国のIT利活用に関する調査研究 商務情報政策局情報経済課

 編集者のコメント



 各サイトを見てみると、顧客が使いやすいようにソフトウェア、ベーターベース、レイアウトの工夫が施され技術導入も進み、格段に進歩してきている。また、携帯のネット対応が進み、リアル(実)店舗の顧客をネット通販サイトへスムーズに誘引できるようになってきていますね。
 最初から携帯によるメール・マーケティングに取り組んできているところはいままでのノウハウを生かすチャンスですね。

 環境としては、低価格のネット通信インフラがほぼ出来上がっています。
 今後は個人でも参入できる環境が整い始めていますので、ユニークなビジネスモデルが現れる可能性があります。期待したいですね。
 ・仕組みとしてワンストップショッピングの環境ができている。
 ・低価格のネットショップの仕組み(ASP)提供事業者の増加。
 ・宅配などの物流(配送)サービスも充実している。
 ・ネットショップモールの楽天やヤフーなどにも出店できる。
 ・DNA、楽天、ヤフーなどでのオークション出品が簡単にできる。

 ネット時代の消費モデルとしてAISASなどがあり、仮説を容易に検証できるようになった。

 もはや「ホームレス」状態は論外ですね。消費者の情報収集はまずはネットからというスタイルです。すでにほぼすべての企業や商品・サービスの提供者はホームページ、商品・サービス専用のサイトやビジネス用ブログを持って、消費者と積極的にコミュニケーションをとろうとしています。

 ごく最近まで、ネットは儲からないという経営者が多かった。いまの居るが。
 今や現実と変わらない市場になりつつあるといっていいでしょう。ネットは手段であり、どのように使うかが大きく業績を左右するポイントにもなってきています。
 ・ネットは特別ではない。
 ・消費者はリアルにもネットにもいる。
 ・消費者はその使い分けをしている。

 今までの市場と違うのは消費行動が違うことだ。
 ネットでの消費者行動は電通の主張している「ISAS」モデルが有名だ。今までは「AIDMA」モデルで説明がついた。

次のこのモデルの概念図を掲載しておきます。以下の3つの図は同じサイズでそのまま重ね合わせて眺めてください。結局サイトを訪れた訪問者にどんな行動を取ってもらいたいかのメッセージを的確に伝えるコンテンツや仕組みが必要ということですね。そして何よりも「集客」をどのようにするか、オンライン・プロモーションをどのように仕掛けるか最初のマーケティングの「肝」です。

 まずAISASの図です。

ネット消費行動AISASモデル

 次の図はサイトのページをイメージしてください。

サイトページイメージで

 いままでのモデルはAIDMAでしたね。このモデルをまったく否定しているのではありません。

AIDMAモデル

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 編集後記

 最近はめっきり涼しくなってきました。
 20度前後で通年保ってくれると着るものもそんなに重くならなくていいのですが、
 これから寒くなるのかと思うときも重くなります。

 先日、有楽町(東京)で写真のような乗り物がありました。最初は京都でスタートし、今年の春先くらいに東京へ進出してきたそうです。料金は初乗り500メートルで300円、あと50メートルごとに50円だそうです。

三輪人力車横   三輪人力車前

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2004年発刊された「伸びない市場で稼ぐ!成熟市場の2ケタ成長戦略 」をまた読み始めています。
ディマンド・イノベーションということばで当時それなりに話題になっていました。

アプローチの転換と言う意味では、製品イノベーションからディマンド・イノベーション(需要革新)ヘと視点が移ってきたわけです。

いまの中心的なビジネス市場の境界線を拡げることによって新たな成長を創り出す考え方です。深耕ではなく、幅を広げることです。ただし、特定の部分は深い知識と顧客理解とが必要になることは言うまでもありません。

製商品・サービスを出発点として、顧客に新しい提案をし、難局を乗り越え、業績全体を向上させる手法ですね。

本書の事例で登場するカーディナルは薬剤の流れを追跡した結果、少なからず病院に貢献できる要素を見つけ、病院の悩みの種である経費削減、人材不足、情報管理という3つの問題の解決に一役買うこともできると考えた。

わたしたちの取り組んでいるビジネスを再点検してみると意外とそういう部分を発見できるかもしれませんね。