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    2008年11月25日 第88号
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日経MJ 2008年11月21日(金)付け 7面【家電&℮ビジネス】

ドロップシッピング「個人サイトにネット販売委託」
市場伸び悩み はや淘汰
品数拡充 生き残りカギ
今回は「ドロップシッピング」というネット通販のビジネスモデルでです。
見出しの通り「販売力」を個人(ドロップシッパー)の能力に依存・委託したモデルです。
品揃えとドロップシッパーの育成、販売ノウハウ、ビジネスモデルのインフラともいえるシステム開発・運用能力が事業成功の大きなカギになっているようです。。
 
 ドロップシッピングのビジネスモデルの概要


ドロップシッピングのビジネスモデルの概要

この図は編集者の独自の解釈で作成しているものです。対象となった記事とは関係ありません。


 記事の概要

 ドロップシッピングでは、商品在庫を持たない個人にもネット通販ショップを運営できる。

 ・ 個人のブログやホームページを販売窓口にする。
 ・ 消費者はそのサイトで購入手続きを取る。
 ・ 商品はメーカーや卸から消費者に直送される。

 ドロップシッピング業者の役割

 ・ メーカーなどに商品を登録させる。
 ・ 個人にネット通販の仕組みを提供する。
 ・ 業者収入は、販売者(個人)に示す基準価格に含ませている一割前後のマージン。

 業界の状況

 ・ 国内に登場して二年強。
 ・ 不振の業者が相次いで撤退し始めた。
 ・ 市場規模はまだ小さく、先行きは不透明だ。

 不振、撤退の理由

 ・ 利用者の低迷。
 ・ 全体流通量の低迷。
 ・ 商品を売るノウハウのある個人が少ない。
 ・ 魅力的な商品が集まらない。

 ドロップシッピング事業成功のポイント

 ・ 全体の流通量を増加させる。
 ・ 販売者の拡大。
 ・ 取扱商品の拡充。
 ・ 魅力的な商品を集める。

 ドロップシッピングの市場規模(経産省調査)

 ・ 2007年は、20億円。
 ・ アフィリエイトの市場規模は、5,500億円。
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 関連情報
今号に関連する情報です。
■ 市場規模
経済産業省「平成19年度我が国のIT利活用に関する調査研究(電子 商取引に関する市場調査)」を実施し、我が国電子商取引市場の実態公表

記事の登場する有力二社のサイトは次の通りです。

■ もしもドロップシッピング (株式会社もしも)

■ リアルドロップシッピング (株式会社リアルコミュニケーションズ)

 編集者のコメント


● ドロップシッピング業者の役割や機能

ドロップシッピング業者は、メーカー・卸と消費者との間の仲介機能でありながら販売主体でもある。
消費者に対して安心・安全面での信用・信頼を担保している。
メーカーや卸などの商品提供者の発掘・交渉などのバイヤーの役割を果たしている。
ドロップシッパーに対してはネット上での商品販売のノウハウを提供している。
ネット上で商流・物流・金流・情報流という四つの情報を串刺しにしている。そのシステム・ソフト開発能力を有している。

● 品揃え

消費者との接点を自社で持つのではなくドロップシッパーに任せ、商品の選択・決定・値決め・販売促進などのマーチャンダイジングに特化している。

● ドロップシッパーの育成がカギ

ドロップシッパー(会員・利用者)は販売代理店的な機能を担っている。
会員を動かす強烈な動機付けをする必要がある。
ドロップシッパーの育成、スキルアップは欠かせない。

● 撤退理由を革新する。

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さて、ドロップシッピングの特徴などを概観してみましょう。

● 特徴 <「誰でも」、「無在庫」で「商品を販売」する仕組み>

自分で商品の値段をつけられる。
自分のオリジナルの商品を在庫リスクなしで通販ショップを作れる。

● 他のビジネスとの位置づけ

儲けとリスクの大きさでは、次のような構造になります。

アフィリエイト < ドロップシッピング < 仕入れ有りの小売

● 能力

利用者は、単に参加するだけでは収益は望めない。
マーケティングのセンスや 世の中の動向を見極める必要がある。
また、ネット通販に必要なネットビジネスの知識を修得していく必要がある。

● 参入障壁の低さ

ドロップシッピングは在庫を持たないため、 売れた分だけの利益が、売れなくても出費がない。
お店をやりたい人には敷居が低い。

● デメリット&リスク

誰でも簡単に楽して儲けられるものでもありません。
単に金銭的に支払うリスクがないだけで、 自分の時間を浪費するというコストがかかります。
長時間費やして、月に数万円程度の収益だったら、 貴重な時間の無駄使いということになる。

● 通常の小売との比較

ドロップシッピング業者によっては、商品が手元にないので問い合わせ対応が大変になる 。
取り扱う商品知識がそれなりに必要になってくる。

大量発注のメリットが適用されない。
数百個も売れるようなショップを作れるなら、自分で在庫を持ったほうが儲かる。

ドロップシッピング業者によっては個人情報が完全には渡されない。
通常小売だと、購入者の個人情報を把握できる。
個人情報を持つのはドロップシッピング業者側なので、通常小売のように顧客リストにダイレクトメールを送ったり、 リピーターになってもらうための戦略が計画できない。 (ドロップシッピング業者によっては違う場合もある)

発送時の工夫が限られる。ショップからは個人の顔が見えない。
発送時に、普通の小売では、 個別に手紙を入れたり、一言添えたり、 包装などを工夫したりできる。
発送はメーカーがやるので売り手側はそこには関与できない。
顧客との接点が極めて少なくなるので リピーターを増やすための方法が限られてくる。

● 収益の構造(リアルの場合)

(販売価格-仕入価格)×0.6(手数料) = 粗利の60%が報酬。

手数料は、消費者様サポート、商品の出荷配送等、全てのサービスで共通に発生するサポート業務運用費用。
リアルの場合、商品タグ発行は無料で、ショップ構築型はトライアル期間(6ヶ月間)が終了すると別途月額料金が発生する。

● 課題

自分でドロップシッパーになって収益を出していく場合、

・専門分野を決める。特徴を出す。店舗コンセプトを明確にする。
ドロップシッピング業者のツールで作るショップではこうしたことはできにくい。自分のブログなどを作って対応しなければならないだろう。
販売する分野や商品カテゴリー(群)を決めたほうがいい。
総合的な商品販売よりも絞り込んだほうがインパクトが強いと思われる。

・集客(お客様を集める)
選択する分野は自分の単なる興味本位ではなく、世の中の動きや傾向を把握したうえで取り組んだほうが集客増につながる。
販売ページにはSEO(サーチエンジン最適化)が施されていなければならない。ドロップシッピング業者によってはショップ構築ノウハウとしてこの点を考慮しているところもある。
メールマガジンやリストを作成し、メールマーケティングなどが必要になってくる。

・利益の把握とタイミング
利益は推奨価格で販売する商品のカテゴリにもよるが、6%~25%程度。
商品によっては競合店調査をして販売価格を設定したほうがいい。
ブーム商品は一過性もあるので売れるタイミングを逃さないように。

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● 私も試しに登録してみました。 作成された私のIDのサイトトップページです。
ご興味のある方はこちらから確認してみてください。 確かに3分以内にドロップシッパーにはなれます。
自分が推奨する商品の販売ページ作成は、別途業者のオンラインツールにアクセスして作成できます。
試してみるならこちらからどうぞ。
もしもドロップシッピング
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 編集後記

あなた(自社・部門)のポジショニングでドロップシッピングサービス機能は果たせないだろうか?
あるいはドロップシッパーの役割はどうだろうか?
あなたの置かれているポジションはどこだろうか?

ポジショニングを明確にすることで、喜んでくれる取引先やエンドユーザーはいないだろうか?

こんなことをわたし自身にも自問自答しています。

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