日経記事に学ぶビジネスモデル   2001/05/14 NO.20
ジェイ・ウォーカーとプライス・ライン社
ビジネスモデル特許で儲けるための戦略 米国企業の事例研究

『ビジネスモデル特許』 ヘンリー・幸田著 日刊工業新聞社 からの引用
発行者のホームページ

 今回は記事の解説は一休みして、ビジネスモデル特許戦略を画期的に推 進している事例を引用いたしました。内容には加筆しています。発明に携 わらなくても、仕事への取り組みや組織運営に対して示唆のある内容です 。

 次回は、私がビジネスモデルを考察するときによく使う『汎用モデル』 を紹介いたします。
 特定のビジネスモデルをどのように見ていくのか、どのように説明でき るのか、切り口や議論の際のコミュニケーションに活用できると思います 。

ジェイ・ウォーカーとプライス・ライン社

本の内容(一部省略、加筆)

●発明に関する2つの基本的な方法論

1.エジソン式のブレーンストーミング

・数人の助手とのブレーンストーミングによって新しい技術を次々開発し た
・エジソンはチームワークにおける優れたリーダーであった
・複数のプロジェクトを同時進行させる
・各プロジェクトは小人数のエンジニアで構成される
・エジソンは毎日各プロジェクトの作業に参加、激しいブレーンストーミ ングが繰り返される
・複数のプロジェクトにかかわることで、集中力を維持し、プロジェクト 間の競争による相乗効果を活用した
・画期的な助手たち
ヘンリー・フォード  ファイアストーン
日本人では、そうそうたるメンバーだ。
野口英世  高峰譲吉  渋沢栄一  岩垂邦彦  藤岡市助

2.顧客のニーズに合わせた発明開発

・優れた発明は顧客が求める技術を提供することにある
・発明の本質はその有用性にある
・マーケットニーズを正確に見極めるところから始まる
・客がなにを求めているか、この答えが見つかったときが発明のチャンス
・発明の半分が顧客ニーズの発掘、それに懸命だ

■ビジネスモデルとビジネスシステム

 「ビジネスモデル」とともによく「ビジネスシステム」という言葉が用 いられます。この違いを理解しておきましょう。

◆ビジネスモデルは、ビジネスの一連のプロセスで「事業が成り立つ仕組 み」

 それは、顧客、仕入先、協力業者を含めた「事業が成り立つ仕組み」を 指している場合が多い。
 その主要な要素として以下があげられ、よくそれぞれの管理対象を分か りやすい図や表で表現します。

・顧客:ターゲットセグメント
・顧客:アプローチ方法
・価格の設定
・生産方式
・商品、サービスの物流手段
・代金の回収方法

 特徴を出すための観点として上げられるのは、

・利用していなかった情報とその利用方法
・今までと違う情報の整理のやり方
・今までと違う判断の基準
・今までと違う情報の出力(加工)
・今までと違う情報の利用先への配信

◆ビジネスシステムは、機能観点からの「事業の組み立て」

 それは、研究&開発、調達、生産、広告・宣伝、流通、販売、保守・サ ービスという一連の機能連鎖から成り立っている。以下のような図はよく 見かけると思います。マイケル・E・ポーターの「価値連鎖」は事業構造 の分析ツールとして有名。

ビジネスシステム

価値連鎖概念図


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