日経記事に学ぶビジネスモデル   2001/11/8 NO.31  
店の販促、メールで代行 まぐクリック 顧客情報を収集・活用

日本経済新聞 11月6日 【企業3ベンチャー・17面・12版】  
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販促支援サービス

◆記事内容の要約

 メールマガジン広告大手のまぐクリックは二十三日から、携帯電話のメールを 使った店単位の販促支援サービスを提供する。サービス料を月額五万円以下に抑 え、一店舗でも情報技術(IT)を活用したきめ細かい販促を可能にした。全国数万 店での利用を見込む。
 新サービス名は「あじゃじゃ」。まず店舗が携帯電話で福引を実施する。消費 者が福引サイトに接続することで、店舗周辺の潜在顧客層のアドレスを把握する。 福引応募時に顧客の性別や年齢、住所などの登録を求め、まぐクリックがデータ ベースを構築する。
 店長らは販促文を自分の携帯電話上で作成し、まぐクリックに送信するだけで 自動的に顧客に情報を配信する。メール配信料は一通十円。年間契約なら基本料 は半額、メール配信料は一通二円に割り引く。

<記事中からの特徴>
 独自手法で作成した消費者のメールアドレス名簿に基づき、店員が簡便、迅速 に販売情報などを性別や年齢層ごとに送り分けられる。

 同店の商品を買っていなくても福引に参加でき、実施内容は折り込みチラシや ダイレクトメールで知らせる。

 サービスはASP(ソフトの期間貸し)で提供するので、基本料は百店以上のチェ ーンの契約なら一店舗当たり月額三万円、一店舗だけなら五万円で済む。

<使用例>
 例えば雨天で客足が伸びないときに、スーパーの店長が午後六時から鮮魚類を 三割引きで販売するという案内を三十〜四十代の地元女性に限定して夕方に顧客 の携帯電話へ配信するなど、きめ細かい利用が可能。誕生日に割引クーポン付き メールを送ったり、定期的に店の情報をメールマガジン形式で配信することもで きる。

 

■コメント

 携帯電話を利用した販売促進支援サービスの事例だ。
 会員登録者からターゲットを絞った個人へ販促情報等を迅速に伝える手法とし て、有効。即時性を生かす好例といえる。
 しかし、中小規模の独立商店にとっては、この価格では高すぎる。こうした独 立商店は、自店の商圏があり、その中での商売と考えると、チラシなどを同様の 手法で活用し自店の顧客データベース(DB)を構築して、エリアマーケティング が可能となる。技術革新が進む中で、自店でこうした取り組みをはじめていると ころも多くなっているのではないだろうか。

<類似サービス>
 11月7日付の同紙【33面 首都圏経済・東京】  デジタル・イメージ(東京・港区)地域情報サイト「情報楽園e-topia」が手 書きチラシ等を即座に電子データ化してインターネットで提供するサービスをは じめた。
 依頼主は、自店のFAXから情報を送ることでこのサービスを受けることができ る。
 個人商店の目玉商品ポスターやレストランのイラスト付メニューなどを手軽に ネット広告に利用できる。
 また、FAXで送った画像や文字を事前に登録した会員の携帯電話にメール配信す るサービスもある。店舗が作った割引クーポンやイベント告知情報を配信するこ とで顧客の囲い込みを支援する。
 ◆料金:
 ・広告コーナー設置と店舗紹介の簡単なホームページ作成費:6千円/月
 ・登録費用:5千円

■Biz.Model 構築ノウハウTips

 顧客DBの活用が大事。個々の顧客の基本属性を充実させることで、効果的な情 報提供やコミュニケーションが可能となる。
 通信伝達手段は多様だ。インターネットなら、メールで携帯とパソコンへ、大 量情報ならパソコンへ。コールセンターなら、電話。紙媒体ならFAX。
 最近ビジネス現場でよく見かけるシャープのザウルスでおなじみの各社のPDA もモバイル情報端末として面白い。
 
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