日経記事に学ぶビジネスモデル   2002/09/19 NO.38
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安心な手作り石鹸   ネット通販、女性に人気

日本経済新聞 9月11日(水)【首都圏経済・東京】35面  
お風呂愉しみ
◆ 記事内容

 自分の肌に使う石鹸だから、天然素材で好みの香りのものを手作りしてみたい ―。
インターネット通販のジェリーフィッシュ(千葉市、千古規雄社長) は自家製石鹸の材料を一括購入できるサイト「お風呂の愉しみネットストア」開 設。
主婦やOLからの受注が伸びている。

ビジネスの概要  約50種類ある石鹸ごとに、ベ ースとなる油や香り付けのエッセンシャルオイルなど必要な材料を掲載する。
 薬局などで取り扱うカセイソーダを除き、すべての材料がそろう。
 送料は全国一律450円。レシピ集や道具セット(4,500円)も注文できる。
特  徴  初心者は「『マルセイユ石けん』という基本の石鹸で作り 方を覚えるのコツ」(千古社長)だ。
 オリーブなど3種類の油にカセイソーダと精製水を混ぜ、1ヶ月寝かせて固める 。
 材料費約1,400円で牛乳パック(千ミリリットル)1本分できる。
 基本を習得すれば、レシピを参考に各種ハーブなどを使って好みの香りをつけ た石鹸を作ることもできる。
開設の経緯  通信販売雑誌の設立などに携わってきた千古社長が同サイト を開いたのは2001年2月。
 手作り石鹸を勧める書籍「お風呂の愉しみ」(前 田恭子著)を出版した飛鳥新社から、材料や道具をまとめて通販で扱って欲しいと の依頼を受けたのがきっかけだ。
 基本を習得すれば、レシピを参考に各種ハーブなどを使って好みの香りをつけ た石鹸を作ることもできる。
評  判  普通の石鹸に比べ手作りは「保湿性の高いグリセリンという物質が豊富」 (同)。
 肌にやさしいと言う評判がクチコミで伝わり、肌荒れなどに悩む20代 後半から40台の女性を中心に顧客の輪が広がった。
 材料の多くが食用 にもできる天然素材で「安心して使える」(同)こともあり、サイトのアク セス数は月に2万件を数える。
背  景  食品の自走表示問題もあり、「体に直接触れる製品は自分の目で原料を確かめて 手作りしたい人が増えている」(同)こともサイトの成長の大きな要員という。

 次の目標は東京都内の実店舗の出店。「青山などに構えた店で顧客の意見を直接 取り入れ、ニーズに即したオリジナル商品の開発に役立てたい」(同)考えだ。
サイト案内
お風呂の愉しみネットストア
コメント  最近「クチコミ・マーケティング」が取り上げられ、コミュニティ形成が重 要視されている。事業やサイトの成功要因としてあげられる。
 あらかじめターゲットを長期的に育成し、自社の商品・サービスにまずは共感 してもらおうとする方法だ。そのためにあらゆるマーケティングツールを見直 し、視覚的にも統一して、顧客たりうる人たちにアプローチする。
 この事例は、オリジナリティあふれる内容の書籍から出来上がるコミュニティ のコミュニケーションの場を提供している。
 書籍という情報媒体からシーズを発見し、ニーズに翻訳・転換しているといえ る。
 商品・サービスの開発・商品化では、コミュニティが自らそれを創りだしてい る。独創的で希少価値の高い商材で、自家製・手作り・天然素材・安心といった キーワードは、口コミフレーズにのりやすい。
 
 
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