今回の記事は、ネット技術革新による流通構造と市場環境の変化に自社がどのように対応するかというテーマです。
チャネルとは製商品・サービスを提供する側から顧客まで流れる仕組み(流通経路)のこと。
環境の変化に合わせ、この流通経路を自社に最適な形にいかに構築するか。
現在のようにチャネルの多様化が進み、複数チャネルの選択が可能になると、
最適なチャネルの組み合わせが重要課題になってくる。
◆ 記事内容:記事リード ・情報系出版大手のインプレスは2005年をメドに、新刊書籍や雑誌を出版に先立ってインターネットでパソコンなどに配信する体制に切り替える。 ・12日に第一弾を売り出す。 ・電子書籍の価格は紙の本の3分の2程度にする。ネットによる販売を優先するのは業界で初めて。 |
◆ 記事内容の要約 | ||
どこで、何を 販売するのか |
NTTドコモなどが運営する複数の電子書籍サイト。 新刊ビジネス書籍「五感商品の創り方―スローなビジネスに帰れ2」(坂本啓一著)を配信する。 パソコン、携帯情報端末(PDA)などに対応した文書形式があり、各950円。 単行本(1,600円)は2週間遅れの26日に売り出す。 |
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今後の展開 |
3月末までに既刊を中心に電子書籍を400点に増やす。 4月以降は新刊もネット優先に切り替える。 2005年中に年間200点に及ぶ新刊本と雑誌をすべてネットで先行配信する体制を目指す。 販売点数もネット割合が2007年に全体の20%以上、2012年には50%以上になると見ている。 |
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業界の状況 | 大手出版社は200年ごろから書籍の電子配信を始めた。 対象は絶版本や一部文庫などに限っている。新刊本の売れ行きが落ちることや書店などの反発に配慮したためだ。。 |
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メリット | インプレスは電子書籍は返品のリスクがなく、単価を紙の3分の2に設定しても印刷費用がかからないため一冊あたりの粗利益で紙の本を上回ると見ている。 「ネットを組み合わせれば、むしろ紙の本も売れる」(塚本慶一郎社長)。 |
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インプレスの プロフィール |
1992年設立の中堅出版社。 2002年3月期の連結売上高は128億円。 パソコン解説書「できるシリーズ」、「インターネットマガジン」など情報技術関連出版では大手の一角を占める。 |
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一般的に提供するサービスとチャネルの維持コストは以下の図のようになる。 製商品・サービスを利用する顧客にとっての利便性向上と、自社にとっての顧客収益貢献度合いに応じた適切なコスト配分の両方を実現するチャネル・ミックスを構築していくことが主眼になる。そのために、以下を検討することになる。 0.業界の動向、競合他社の動向、技術革新の影響、自社経営資源の確認 1.顧客のセグメンテーション 2.顧客の商品購買方法とニーズ分析 3.チャネル・パフォーマンスの検討、コスト・投資効果把握 4.チャネル施策の具体化 5.各チャネル間の連携と統制 |
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