日経記事に学ぶビジネスモデル     2004/09/23 NO.66
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今回は、日本ジェノスという業務用酒類卸の統合会社の経営革新である。
首都圏の同業老舗11社(設立2社含む)が連合し、商圏と収益を拡大しているという 記事だ。

■■ 老舗連合、IT駆使 ■■
日経新聞 2004年9月20日(日)11面 起業2 11版

 概念図  水平統合ビジネスモデル:シナジー型

水平統合型、シナジータイプ

記事の要約
■日本ジェノスの概要
設立 2000年。老舗の業務用酒類卸の統合会社。
売上高
など
20003年12月期連結、81億円で経常利益は3900万円。
従業員はグループ全体で、207人。
顧客数 5,300。
ホテルオークラ、定食チェーン大戸屋などの大手から 個人経営の小さな飲食店まで。
取扱品目 酒類9千種近い。ジュース・ 調味料を含めると1万種を超える。
商圏 東京、千葉、神奈川など首都圏。

■酒類販売規制緩和により老舗の経営では競争に 限界。
■老舗ならではの豊富な商品知識や人脈に加え、インターネット利用の24 時間受注など情報技術の積極的活用が特徴。受注実績はデータベース化。酒類に 詳しくない従業員が注文しても、指定銘柄を検索、迅速に対応できる。
■老舗各社のオーナーは日本ジェノスの幹部となり、「のれん」を残して 代々の顧客との関係を保つ一方、規模の拡大でメーカーや一次卸に対する価格交 渉力を高めてきた。
■拡大路線を走ってきた同社がいま取り組むのは、収益管理の徹底だ。 顧客管理では2年前から売掛債権の回収率をデータベース化。信用力に基づいた 決済方法を採用。
■商品見直しにも着手。顧客離れを防ぐために11社の商品群をそのまま引 き継ぐが、仕入や管理費用を減らすために、一万種以上の商品を8千種に絞る。

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  ■  コメント  ■
経営戦略の方向付けとしては、 シナジー型になる。これは、他社と強調したり合同したりすることにより、 より大きなパワーを発揮する方向を志向する。
シナジー型は「強調」と「合同」に分類される。

「強調」は、強調・カルテル(企業連合)・提携に分けられ、「合同」 は、グループ・系列・合弁・合併に分類される。

シナジー効果のプロセスは、次のように進むと思われる。

シナジー効果のプロセス

提携は、次のように分類することができる。
全面提携・資本提携・業務提携(販売、物流共同化など)・商品提携・ 技術提携・共同開発提携。

この経営戦略は「水平統合型(ある分野で企業同士が提携する)」の ビジネスモデルといえる。
目的は、三つある。
1.受注能力の拡大。
2.経営資源の相互共有。
3.付加価値の創出。

記事中にもあるように統合のメリットは、
・価格交渉力を高めている。
・IT利用で受注能力を高めている。

日本ジェノス(http://www.genos.co.jp/index.html)  のホームページ。
産業再生事業というコンセプトをミッションにしている。


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