日経記事に学ぶビジネスモデル     2005/01/26 NO.68
発行者のホームページ
今回は、異なるターゲットニーズを組み合わせたビジネスモデルの記事です。

■■ 子連れカフェに裏メニュー ■■
日経MJ新聞 2005年1月14日(金)14面

 概念図  親子カフェ、企業リサーチの場を提供

親子カフェのドメイン

記事リード
企業のリサーチ対象として人数をそろえるのが最も困難なのが、幼児を 抱える主婦層だ。新商品に関するグループインタビューをやろうにも、動き回 る子供を抱きながら、または誰かに預けて都心のインタビュー会場まで出かけ るのは難しい。そこに目をつけ、主婦モニターなどへの参加を募るとともに、 子連れでも気軽に来られるインタビュー会議の提供をカフェビジネスに取り込 んだのが、クリアール(東京・江戸川)社長の藤代聡(38)だ。
記事の要約
ターゲット
 江戸川区・西葛西で運営するカフェ 「スキップキッズ」。
 主な顧客は1〜6歳の子供とその親。
 西葛西周辺だけではなく、千葉県市川市や東京・杉並区や世田谷区か らの客もいる。
システム(仕組み)
 店内には大きな滑り台つきの立体遊具やままごとセット、 ボールプールが三分の一を占める。
 保育師の資格を持つ二人のスタッフが常時見守る。
 母親達は60席ある飲食スペースで子供を遊ぶ様子を眺めながら、 食事や喫茶、会話を楽しめる。
ニーズ
 子供が喜ぶテーマパークは毎日行くには高すぎる。ファーストフードや ファミリーレストランではほかに客にうるさがられる。子育て中の母親の 「行き場のない」悩みを解消することが第一の目的。親子連れに入店を限っ ているので、犯罪から子供を守れるという安心感もある。
プライス(価格)
 利用料金は幼児一人あたり一時間250円。
 親と七歳以上の児童(遊具スペース利用不可)は飲食料金のみで済む。
メニュー
 美味しさにこだわった生パスタメニューやピザ釜で焼くピザを提供。
 ワインやビールなどもそろえ、土日は子守りを頼まれた父親の姿も目立 つ。
 週末の夜はグループ客による飲み会的な利用も取り込む。
サービス
 グループで来ておしゃべりに興じたり、育児の悩みを交換し合ったり、 備え付けの雑誌や書籍、パソコン(いずれも利用料無料)などを利用する人もい る。
マーケティングの場としての対法人ビジネ ス
 三方一両「得」

 【事例】子供用日用雑貨製品モニター募集に

 モニター商品は応募者に直接送られ、後日使用感、パッケージデザイン、 ネーミングなどの参考意見を聞くグループインタビューが行われる。 20人程度収容できるパーティスペースで行う。インタビュー中は子供たちが遊具 スペースで遊んでくれる。インタビュースペースにはマジックミラーで仕切られ た小部屋が隣接、企業担当者が集音マイクで拾った主婦たちの率直な意見が聞け る。
主婦にもモニターでちょっとした小遣い稼ぎができる。
データ
 来店客:五千人/月
 月商:五百万円

 客単価:二千円超
■ちょっとPR 発行者ソリューションパートナーからのお知らせです。■
座右の戦略立案支援ツール 「 ソリューション・スーツ」をリリースいたしました。
戦略をつくると、成長のルートが見えてきます。戦略立案ツールとして、 シンプル。決して難しく時間のかかることではありません。
  ■  コメント  ■
 客観的に自らのビジネスを鳥瞰す ることは難しい。
 自分の目の前、足元しか見えずにビジネスチャンスを見落としがちにな ります。

 それにはビジネスの骨格を描き出し、今のビジネスにどんな肉付けがで きているか、分析してみる必要があります。

 今回の事例では「カフェ」という時代感覚にマッチングした業態に、タ ーゲット特性のニーズを取り込み、さらにはターゲットを求めている企業ニーズ を取り込んでいる点が注目されます。

 スキップキズうの掲げるコンセプトはこちらから
→  http://www.skipkids.net/concept.html

ビジネスモデルのチェックをし てみよう。
 「カフェ」(取り組んでいるビジネス)のビジネスモデルの骨格を描く 。
 絞り込んだターゲットとそのニーズを明らかにする。
 ニーズに合致した商品、サービスを明確にする。
 商品、サービスの価格と提供する仕組みを具体化する。
 第三のニーズを取り込む。これが事業の「裏メニュー」。

ビジネスモデルのスケルトン(骨格)を描くために
 現状把握は ドメイン、3C 、4Pで。
 4Pとは、商品(Product)、価格(Price)、流通経路 (Place)、販売促進あるいはコミュニケーション(Promotion) のマーケティングミックスと呼ばれるものです。
 顧客にとっての商品価値と費用、利便性、双方向のコミュニケーション はどのようにあるべきかが考察できます。

さらに詳しくは次のURLを参照してください。
→  親子で一緒に楽しめるカフェがあればいいのに http://www.dreamgate.gr.jp/hearing/oydg/oydg_28.php

スピップキッズ
→  http://www.skipkids.net/


購読の登録と解除
配信を受けているところで解除もしくは登録してください。
意見・感想・質問・相談等
発行  ソリューションパートナー     発行責任者  内山秀雄
Copyright by Doctor Solution Partner 2005