日経記事に学ぶビジネスモデル     2006/01/23 NO.69
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日経新聞 2006年1月20日(金)

 概念図  ビジネスモデルの発見のために



概念図の説明

ビジネスモデルについての考察をお届けします。
モノやサービスが顧客(ユーザー)に届く過程の概要を示してみました。

生産者とはモノやコンテンツ(情報など)の創り手で、「商品づくり」に該当する者の位置付けで、顧客の支持が得られるものを「商品化」、「モノ化」する役割だ。

提供者とはビジネスモデルを創りあげるとともに顧客の創り手だ。提供の場とは実際の店舗であったり、ウェブサイトや「紙」や「デジタル」媒体で、顧客が実際に「商品」と向き合う接触の場だ。標的とするターゲット(顧客)に何を提供するのかが明確に伝わらなければならない。モノを通じて何をどのように感じてもらうかが鍵と思われる。いわゆる「コト」の創造が求められる。

仲介者とは顧客との間に立ち代理者の機能を発揮する位置付けで、アフリエイトプログラムへの参加者も該当する。

メッセージとは接客や援助、支援などを想定している。提供者が顧客にどんなメッセージを送ることが出来るのかが問われる。顧客の問題解決という視点から「ソリューション」の提供が大きな要素となる。自らにソリューション提供の限界がある場合には補完できる相手とのコラボレーションも課題となる。
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配送とは受注処理をはじめ商品の運び手だ。デジタル商品の場合には通信の利用がそれにあたる。

決済とは顧客の支払い、また顧客への返金なども含まれ、金融機関がその役割を担う。最近では「運び手」企業担当者が届け先の顧客と端末を通じて決済の窓口になっている場合もある。またネット銀行を使う場合もある。

顧客とは個人や法人などさまざまなセグメンテーションが考えられる。自らの顧客をどのように発見するのか、変更するのか、絞り込むのかが重要な課題だ。

イノベーションの範囲としては、次の三つが考えられる。少なくてもこの範囲で何らかの改善が見られないと顧客の心の中での印象は弱くなる。競争相手をこの観点から鳥瞰し、比較しておくといいだろう。
1.「商品」のイノベーション
  主に「生産者」の範囲。
2.「プロセス」のイノベーション
  主に「提供者と提供の場」と「顧客」の間の範囲。
3.「コミュニケーション」のイノベーション
  主に「メッセージ」の範囲。

そのためには顧客の利用、活用、商品と向き合った場合の状況を把握する必要がある。顧客の声やアンケートが代表的なものだ。また顧客のバックグランド、ライフスタイルの変化を知る必要もある。その中から潜在的なニーズをくみ出さなくてはならない。このニーズをもとに新たなビジネスモデルを組み立てることが経営活動といえる。その際のひとつのヒントといえるキーワードが便で、それぞれの漢字の前に「」をつけるといい。これを解決するためにどうするかがビジネスモデルに発展する。
記事との関連
■ 1月20日(金) 日経新聞15面【企業2】14版 「人材派遣大手 正社員紹介を拡充」の記事では、マンパワー社が「三ヶ月以内辞めた場合、紹介料を全額返金する辞職保証」をつけた。顧客側の不安を解消することを目的とした者といえる。

■ 同29面【消費】13版 「スーツケース 施錠したまま検査パス」の記事では、テロ対策として「鍵をあけて荷物を預ける必要がある米国内の空港で、施錠したまま預けられるTSA(米運輸安全局)ロック対応」のスーツケースが今春相次いで登場する。これは商品のイノベーションに該当し、荷物を預ける際の中身の紛失や盗難の不安と搭乗時の手間も軽減できることへの対応だ。

■ 同紙面では携帯電話の機能とサービスについて、「春の携帯、若者照準 音楽ipodに接近」と題して各社の新モデルとサービスが紹介されている。携帯ユーザーそれも若者をターゲットに音楽を聴く端末として携帯を位置付け、今までに不足している機能とサービスを拡充し、加入者を獲得することがねらいだ。従来の電話という機能は基本機能になってしまった。

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