キャンバスはビジネスアイデアを語り合う共通言語です。

1.パーソナルビジネスモデル・キャンバス「お墓の守り人」

「お墓の守り人」のビジネスモデルを事例として紹介します。
このビジネスモデルキャンバスは3年ほど前に相談があり、作成したものです。

 

さて、相談の内容は次のとおりです。

 「お墓の掃除が大変なので、
  手助けできるような仕事ができないだろうか」

 

 「お彼岸などで墓参りをすると、
  多くのお墓は雑草などでおおわれているところが多い。
  高齢化が進んで、足腰が弱っている人も多い。
  若い人たちは忙しくたびたび墓の清掃もできないだろう。
  年に二回ほどの墓参で訪れたときに、
  きれいに掃除されているお墓は気持ちのいいものだ。
  ビジネスアイデアとしてどうだろう」

こんな内容の電話をいただたわけです。

 

相談された私は想像力を働かせて、数時間で作ったのがこのキャンバスです。

 

今回事例のキャンバスはこちら。クリックで、PDFを表示します。
お墓の守り人

■ ビジネスアイデアを語り合う共通言語

ちょっとしたビジネスアイデアや新規事業などの企画をこのようにキャンバスに表現すると、ビジネスを進めていくうえでどんな情報が不足しているのかなどが手に取るようにわかってきます。

 

なによりも関係者に説明するときに役にたつ道具になります。
聞く人もアイデアのイメージが湧きやすい。

 

また、ユニークさ、疑問、問題点などが互いに確認できます。
まさにビジネスモデルキャンバスは、ビジネスを語り合う共通言語ということになります。

 

もう数年たっていますので、このようなビジネスはどこかで進められている可能性もありますね。
いや、当時からすでにあったのかもしれません。
何しろアイデアの大半は世の中にあるものです。

アイデアチェック

実現されている場合も含めて、以下の点をチェックする必要がありますね。

  • 競合他社はどのようなビジネスモデルで活動しているのだろう。
  • これから始めるビジネスモデルとの違いは何だろう。
  • 今までのビジネスモデルで

    顧客がストレス(痛み)を感じていることは何だろう。

  • 顧客は本当にその問題解決を願っているだろうか。
  • このビジネスモデルの顧客となる人々の

    抱える本質的な課題は何だろう。

■ もっと具体的なチェックポイント

今回の事例に限らず、考えておくべき点ですね。
以下を参考にビジネスモデルを議論してみるといいでしょう。

 

顧客の「どんな片付けるべき用事」をあなたは助けてあげたいのか?
顧客はどんなことがやりたいのに、できない状況なのだろう?
墓地について、顧客はどんなことで眠れぬほどの悩みを抱えているのだろう?
顧客にとって、その場面では、どんな不便があるのだろうか?

成功要因を競合相手リサーチで知る

競合相手リサーチ:成功しているとすれば、その成功要因は何か?それから何を学べるか?

 

「墓地清掃」「お墓の市場規模」で検索。
商品サービスの内容と料金体系は?他社と異なること、魅力は?
隙間を突くには?他社が苦労しているところは?
顧客の不満は?時代特徴や背景を理解しているか?

 

たとえばこんなサイトをチェックしてみるとか。
新日本香堂「美墓ネット」

競合相手との差別化にもつながる

競争相手のビジネスモデルを描いて、自社のモデルを特徴あるものにすることもできますね。

 

商品サービスは何か?
それは顧客にどんな価値を与えることになるのか。
個人所有の墓地清掃、お墓参り代行あり、墓石クリーニングなどが行われているようだ。

 

時代の背景や今後の市場、法律的なことも要調査。
墓地に関する将来は?墓苑(園)運営主体の将来は?

 

具体的な時系列の目標は?
顧客数、売上高、利益計画、マーケティングといったビジネスプランを作ってみる。
収支計画もつくってみよう。

 

ビジネスを継続していくうえでの課題は何だろう?
果たして継続できるだろうか?
どこ(何)で儲けるか?
儲けないところは何か?
ビジネスの制約条件は?

  • 法規制などは?
  • 許認可などは?

2.おすすめ書籍の紹介

起業の科学』田所雅之著  

 

スタートアップのために必要な考え方と各種ツールを体系的にまとめています。スタートアップとスモールビジネスとの違いも確認しながら、ビジネスアイデアをどのように実現していくのかをプロセスを追って、解説しています。

 

ビジネスモデルキャンバスについては、大企業向きのツールと手厳しい。

 

リーンキャンバスはその点をカバーしています。なぜならば、解決すべき顧客の抱える痛みと、顧客についてきちんと把握していないと失敗に終わるからです。

 

ビジネスモデルキャンバスではこの点を無視しているわけではありません。当然重視していますが、キャンバス上では明確にしていないところがあります。リーンスキャンバスはキャンバス上に明記しています。

 

起業やスタートアップついて知識がある方は、吸い込まれるように読んでいくことでしょう。

 

まったく知識のない方にとっては、専門用語に戸惑い、少々難解かもしれません。
「へー、こんな考え方、視点があるんだ」と、思えるだけでもお得です。

 

読み終えると、身近なビジネスを「科学」する眼で観察するようになりますよ。

 

ぜひご一読を。

 

<< 主な内容 >>
第1章 IDEA VERIFICATION(アイデアの検証)
第2章 CUSTOMER PROBLEM FIT(課題の質を上げる)
第3章 PROBLEM SOLUTION FIT(ソリューションの検証)
第4章 PRODUCT MARKET FIT(人が欲しがるものを作る)
第5章 TRANSITION TO SCALE(スケールするための変革)

■■ 初心者の方はこちらの書籍から学ぶといいでしょう。

 

入門 起業の科学』田所雅之著

 

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