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ビジネスモデル革新のために

自社の事業分野、事業活動について問題意識をもつことが前提となる。
【更新 2003年5月19日】

現状把握などの調査や分析を行う場合に各種のフレームやツールを使うことになります。 知らないよりは知っておくほうが多様な「視点」から物事を把握することができます。 参考として、弊サイト運営者の「 座右の戦略立案支援ツール ソリューション・スーツ」 で簡単なツールを解説していますので確認してみてください。

事業環境の分析次の質問に答えられるだろうか。

膨大な時間をかけた調査分析は必要ないが、一枚の紙にキーワードや文章、図で表現できるだろうか?

  • 自社のビジョンは?
  • 事業の成功要因は?
  • 自社の事業規模は?
  • 顧客の購買動向は?
  • 技術の動向は?
  • 法制度の動向は?
  • 業界の構造は?
  • 予想される環境変化は?
  • 競合他社の動向は?
  • ビジネスの兆候は?
  • 業界外からの参入可能性は?
  • アライアンスの動向は?

内外の環境分析:SWOT分析

顧客に対する価値創造、事業運営効率を高め、利益向上に寄与する要因を探る。

  1. 内部環境
    • 自社の強みは?(Strengths)
    • 自社の弱みは?(Weakbesses)

    <内部環境の視点>

    マーケティング力・技術力・生産能力・研究開発力・購買力・財務力・人材と組織力
    などの経営資源。

  2. 外部環境
    • 事業機会は?(Opportunities)
    • 事業に対する脅威は?(Threats)

    <外部環境の視点>

    同じ環境変化でもその企業の主観的な認識によって、機会にも脅威にもなる。
    直接影響を受けることになるミクロ環境と間接的な影響力をもつマクロ環境がある。
    いずれも自社で直接コントールが効かない。

  3. ミクロ環境の要素
  4. 市場(購買力と欲求を持つ消費者)、競争業者(市場の需要をめぐる競争相手)、 供給業者(原材料や製品の供給業者)、 中間媒介業者(流通業者やコンサルティング会社などのマーケティング助成機関)など。

  5. マクロ環境の要素
  6. 人口統計学的環境、経済環境、技術環境、政治・法律環境、社会・文化環境、自然環境など。

事業(戦略)ドメイン(領域)の設定

自社のターゲットとする

  1. 顧客は誰か、
  2. 顧客のどんなニーズに、
  3. 自社の製商品・サービスで、
  4. 顧客にどのような価値を提供するのか。

今日までの事業ドメインを確認しなくてはならない。
これからの事業ドメインを設定しなくてはならない。

ドメイン設定の意義は、戦略的に方向付けられた生存領域を明確にすることで、 働く人々に方向性と統一性を与えることができること。

事業ドメインを確認するためのフレームワーク

最近は事業ドメインとよく表現されるが、戦略ドメインというほうが的を得ている。 現代マーケティング [新版] 嶋口充輝・石井淳蔵(著)1,700円(税別)有斐閣Sシリーズ からその概要を引用してみる。

  • 「市場環境の機会を取り入れ、それに経営資源の強みを発揮するな戦略中核を明確すれば、 市場に対するアイデンティティが明確になり、 同時にそのアイデンティティで内部の組織やシステムを統合化を図りうる。 この中核部分を戦略ドメインという」。
  • 「誰(Who)に、何(What)を競争優位に奉仕するのかという戦略的ターゲットに加え、 さらにどのように(How)競争優位的に奉仕すべきかという戦略上のポジションができあがる」。
  • 「顧客ニーズの明確化、顧客市場層の明確化、対応独自能力の明確化という 三つの軸に焦点を合わせることが必要になる」。

<事例|戦略ドメイン>

  1. 外食産業の場合
  2. 顧客ニーズの明確化

    どのような顧客ニーズに奉仕すべきかを明らかにする。 従来事業コンセプトの明確化といわれてきたこと。 味を売るのか、雰囲気を売るのか、安らぎを売るのか、 家族団欒の場を売るのか、迅速性と簡便性を提供するのか...。

    顧客市場層の明確化

    市場細分化による対象顧客ターゲットの確定。 自社のユニーク性が出せそうな市場細分化を行う。 商圏別、人口統計学的、価値観やライフスタイル別、利用頻度別など。 自社が最も狙いやすいターゲット顧客層を選択する。

    対応独自能力の明確化

    ニーズと顧客層に、どのような自社の強みで対応するのか。 伝統とステータスのイメージを生かそう、広告宣伝のうまさを発揮する、 他に真似のできないメニューや味で対応、管理システムの巧妙さだ対応など。 当該企業の経営ノウハウや経営資源の洗い直しなどを通じて、 競合他社に負けない対応力を明らかにする作業になる。

  3. スーパーマーケットの場合
  4. 市場ニーズの競争優位づくり

    ワンストップショッピングの便利性、台所の食材提供、生鮮三品の品質や鮮度、経済など、 多様なニーズが考えられる。 これらのニーズのうち将来性があり、しかも自社の優位性が生かせそうなニーズへ焦点を合わせること。

    対象顧客層の明確化

    広域商圏を狙うのか、専業主婦層か働く主婦層か、年齢や所得やライフスタイルで殿中心層を狙うのかなど。 多様な顧客選択の可能性がある。 これらの対象層に対して、自社の競争上のポジションから差別優位性を発揮できるように設定する。

    自社の独自能力明確化

    競合他社に比べてどのような独自のノウハウや技術や他の経営資源上の有利性があるのかを明らかにする。 鮮度管理システム、人材管理システム、マーチャンダイジング力、プロモーション・ノウハウなどの組み合わせ、 他者を寄せ付けないユニークな独自能力を強みとして打ち出す。

<参考>

ソリューションパートナーのHTMLマガジンをご覧ください。

ビジネスプロセスの分析

事業推進の方法を一から見直し、検討する。

  • フレームワークはビジネス・システムを用いるが、概略と詳細がある。 概略は以下に示します。詳細は個々の業務の進め方になり、この範囲は担当部門などが分析するといいだろう。
  • 認識した各部分について、自社の状況や強み・弱み、他社のそれを明らかにしたり、 比較したり、ベンチマークに使ったりする。
  • 必要のない部分はアウトソーシング(外部資源の活用)という判断もでてくる。
  • ここではインターネットなどの技術を取り込むことも懸案となる。 リエンジニアリング手法も活用することになる。
  • 従来の業務や業務の塊を、平行して行えないか、廃止できないか、 供給者・顧客を取り込めないか、専門部署業務を分散・埋め込み処理できないか、 などゼロからの発想が必要になってくる。

<ビジネスプロセスの例>

個々の業務に踏み込まない程度で、まずは概要を把握することが目的になります。

  • 研究開発 →開発 →調達 → 生産 →広告・宣伝 →流通 →販売 →保守・サービス
  • 原材料 →加工 →組み立て →マーケティング・販売 →卸 →小売 →エンドユーザー
  • 診察申込 →患部の状況把握 →治療方針・面談 →治療 →(通院加療)各種衛生指導 →支払 →アフター・フォロー